多忙な人のための「整える習慣」で趣味時間を増やす方法(デスクとデジタル編)
日々の業務に追われ、なかなか自分の時間を確保できないと感じている方もいらっしゃるかもしれません。特に40代を迎え、責任ある立場になるほど、時間だけでなく心身の余裕も失われがちです。そんな状況で、「趣味の時間を持つなんて、とても無理だ」と諦めてしまうケースも少なくありません。
しかし、限られた時間の中でも、少しの工夫で趣味を楽しむ時間は創り出せます。そのための有効なアプローチの一つに、「身の回りを整える」という習慣があります。意外に思われるかもしれませんが、デスク周りやデジタル環境を整理することが、結果として無駄な時間を減らし、集中力を高め、趣味のための時間を生み出すことに繋がるのです。
散らかりが時間とエネルギーを奪うメカニズム
デスクやPC、スマートフォンといった、日々最も頻繁に利用する場所やツールが整理されていないと、様々な無駄が発生します。
- 探し物の時間: 必要な書類やファイル、情報が見つからず、探すのに貴重な時間を浪費します。
- 集中力の低下: 視界に入る雑多なものや、整理されていないデジタル情報は、脳に余計な負担をかけ、集中力を削ぎます。
- 心理的な負担: 散らかっている環境は、無意識のうちにストレスや圧迫感を与え、「片付けなければ」というタスクリストにない重荷を感じさせます。
これらの無駄や負担は、知らず知らずのうちに私たちの時間とエネルギーを奪い、趣味を楽しもうとする意欲や余裕を削いでいるのです。
「整える習慣」が趣味時間を創出する理由
身の回りを「整える」ことは、単にきれいにするという行為だけではありません。これは、自分の物理的・デジタル空間を管理し、コントロール可能な状態にするプロセスです。この習慣を身につけることで、以下のようなメリットが生まれます。
- 時間創出: 探し物がなくなることで、作業効率が向上し、結果的に時間が生まれます。
- 集中力向上: 整頓された環境は、余計な情報が目に入らず、目の前のタスクや趣味に集中しやすくなります。
- 心身のリフレッシュ: 空間が整うことで、心もスッキリし、リフレッシュ効果が得られます。これにより、疲れていても「少しだけやってみようかな」という気持ちが湧きやすくなります。
そして何より、「整えること自体」を小さな達成感を得られる習慣、つまり「小さな趣味」として捉えることも可能です。毎日数分でも、目に見える変化を生み出すことで、ポジティブな気持ちになれるでしょう。
実践!デスク周りを整えて趣味時間を創出する習慣
まずは、日々利用するデスク周りから手軽に整える習慣を始めてみましょう。
- 現状の「見える化」と目標設定(5分): まずはデスク全体を眺め、どこが散らかっているか、何に時間を使っているかを軽く意識します。「探し物が多い」「書類が山積み」など、具体的な課題を見つけ、「このエリアだけ毎日きれいにする」といった小さな目標を設定します。
- 「捨てる」「しまう」「移動する」の判断(毎日5〜10分): 毎日帰る前や、仕事の合間に5分、10分だけ時間を取ります。目の前の書類や物を取り上げ、「捨てる(不要なもの)」「しまう(元の場所へ)」「移動する(今すぐ使わないが後で使うもの)」のいずれかに分類します。判断に迷うものは「保留ボックス」などを一時的に設けても構いません。
- 定位置を決める: よく使う文具や書類、PC周辺機器などは、必ず置く場所(定位置)を決めます。使ったら必ずそこに戻す習慣をつけるだけで、探し物が劇的に減ります。
- 週末のリセット習慣(週1回15分): 平日は毎日短時間のリセットを行い、週末に少しだけ長めに時間を取って、保留ボックスの中身を見直したり、引き出しの中を軽く整理したりします。
実践例:デスク整理で生まれた時間
多忙な営業管理職であるAさんは、以前は朝の10分近くをデスクの書類探しに費やしていました。そこで、毎日終業前に5分だけデスク上の書類をクリアにする習慣を始めました。最初は面倒に感じたそうですが、1週間続けると、朝の探し物がほとんどなくなり、始業までの時間にコーヒーを飲みながら趣味のニュースサイトを読む余裕が生まれました。さらに、デスクが整ったことで集中力が増し、定時で業務を終えられる日が増え、帰宅後に短時間ですがギターの練習をする時間も確保できるようになったとのことです。
実践!デジタル環境を整えて趣味時間を創出する習慣
デジタル環境も、気づかないうちに時間泥棒となっています。PCのデスクトップ、フォルダ、スマートフォンのアプリや通知などを整理しましょう。
- 不要なファイル・アプリの棚卸し(週1回10分): PCのダウンロードフォルダやデスクトップ、スマートフォンのアプリ一覧を確認します。1週間以上使っていないファイルや、半年以上起動していないアプリなど、「なくても困らないもの」から削除・移動を検討します。
- フォルダ分けと命名規則のシンプル化: よく使うファイルは、探しやすく整理されたフォルダに移動させます。フォルダ構造は複雑にしすぎず、自分が見てすぐにわかるようにします。ファイル名も、後で見返したときに内容が分かるよう、簡単なルールを決めておくと良いでしょう。
- 不要な通知のオフ: スマートフォンの通知設定を見直し、本当に必要なアプリからの通知以外はオフにします。これにより、集中が途切れる回数を減らし、目の前のことに集中できる時間を増やします。
- 定期的なクリーンアップの習慣(月1回15分): 月に一度、PCのキャッシュクリアや、不要なメールの削除など、デジタル環境のメンテナンスを行います。
実践例:デジタル整理で生まれた時間
WebディレクターのBさんは、PCのデスクトップにファイルが散乱し、スマホには何百ものアプリが入っていました。特にスマホの通知が多く、仕事中もプライベートの時間も頻繁に中断されていました。そこで、まずスマホの通知を最低限のものに絞り、使わないアプリをまとめて削除しました。さらに、PCのデスクトップには作業中のファイルだけを置き、それ以外のファイルはルールに従ってフォルダに移動する習慣をつけました。これらの整理により、デジタル上の探し物や中断が減り、集中して作業に取り組める時間が増加。通勤時間や休憩時間といったスキマ時間に、以前から興味があったオンライン英会話の学習を進められるようになりました。
「整える習慣」を継続するためのコツ
「整える習慣」も、最初は億劫に感じるかもしれません。継続するためには、以下の点を意識してみてください。
- 完璧を目指さない: 一気に全てをきれいにしようとせず、「今日はデスクの引き出し一つだけ」「スマホの通知を3つオフにする」といった小さな一歩から始めます。
- 心地よさを感じる: 整理された状態の心地よさや、探し物がなくなった時の達成感に意識を向けます。「義務」ではなく「自分にとって良いこと」として捉え直します。
- 生まれた時間を意識する: 整理によって生まれた時間や心の余裕を、具体的に何に使うか(例: 趣味、休息)を考えると、モチベーションに繋がります。
- 習慣化ツールを活用する: 毎日決まった時間にリマインダーを設定したり、チェックリストを作ったりするなど、習慣化をサポートするツールを活用するのも効果的です。
まとめ
多忙な日々の中で趣味時間を確保するためには、特別なスキルや大がかりな準備が必要なわけではありません。日々の生活の中に潜む無駄な時間を減らすことが、趣味のための時間を創出する鍵となります。今回ご紹介した「整える習慣」は、身近なデスク周りやデジタル環境から手軽に始められ、着実に時間と心の余裕を生み出す実践的な方法です。
ぜひ、まずは「毎日5分だけデスクのペン立てを整える」「スマホの通知をオフにする」といった小さな一歩から試してみてください。その小さな習慣が、やがてあなたの貴重な趣味時間を増やす大きな力となるはずです。整えられた空間と時間の中で、心満たされる趣味の時間を楽しんでいただければ幸いです。