仕事のスキルを逆活用!多忙な毎日で趣味を継続するための「問題解決アプローチ」
多忙な日々を送る中で、趣味の時間は後回しになりがちです。心身のリフレッシュや日々の活力のために趣味を持ちたいと思っても、「時間がない」「疲れていてそれどころではない」「どう始めて良いか分からない」といった壁に直面することも少なくありません。しかし、仕事で培ってきたスキルの中には、この「趣味を継続する」という課題を解決するために役立つものがあります。
多忙な日々で趣味が続かない、その「壁」とは?
多忙な方が趣味を継続する上で感じる主な壁は、以下のようなものが考えられます。
- 物理的な時間不足: スケジュールが埋まっており、物理的に時間が取れない。
- 疲労による意欲低下: 仕事で心身が消耗し、新たな活動に取り組む気力が湧かない。
- 始めるまでのハードル: 準備に手間がかかる、場所への移動が必要など、取り掛かるまでに億力が生じる。
- 中断と再開の困難さ: 一度中断すると、再開するタイミングを失ってしまう。
- 罪悪感: 趣味に時間を使うことへの後ろめたさを感じる。
これらの壁は、一つ一つが趣味の継続を妨げる「問題」と言えます。そして、仕事で日々、様々な問題を解決している皆様は、これらの問題に対して効果的に取り組むための強力なツールを既に持っています。それは、「問題解決スキル」です。
仕事の「問題解決アプローチ」を趣味の継続に応用する
仕事では、目標達成を阻む課題に対して、原因を分析し、解決策を立案・実行し、効果を評価するプロセスを踏みます。このプロセスを、趣味の継続における「壁」の克服に応用してみましょう。
ステップ1:課題(問題)を明確にする
まずは、なぜ趣味が続かないのか、具体的な課題を洗い出します。「時間がない」「疲れている」といった漠然としたものではなく、もう少し具体的に掘り下げます。
- 「平日の夜、帰宅後に時間が取れない」
- 「週末は家の用事で時間が埋まる」
- 「特定の趣味は道具の準備が面倒だ」
- 「疲れて帰ると、ソファから動きたくない」
- 「一度休むと、次いつやれば良いか分からなくなる」
このように、自身が直面している具体的な「問題点」をリストアップしてみます。
ステップ2:原因を深掘りする(なぜなぜ分析)
洗い出した問題に対して、「なぜ?」を繰り返し、根本的な原因を探ります。
- 例: 「平日の夜、帰宅後に時間が取れない」 → なぜ? → 「帰宅時間が遅く、夕食や入浴で手一杯になる」 → なぜ? → 「仕事の終了時刻が遅い」「通勤に時間がかかる」「夕食準備や片付けに時間がかかっている」など。
- 例: 「疲れて帰ると、ソファから動きたくない」 → なぜ? → 「仕事中の休憩が少ない」「座りっぱなし、または立ちっぱなしで体が凝り固まっている」「精神的に消耗している」など。
原因が特定できると、どのような解決策が有効かが見えてきます。
ステップ3:解決策を検討・立案する(アイデア発想と絞り込み)
原因に基づいて、問題を解決するためのアイデアを複数検討します。仕事でのブレインストーミングのように、最初は実現可能性にとらわれずに様々な可能性を出してみます。
- 原因「夕食準備・片付けに時間がかかる」への解決策例:
- 週末に作り置きをする
- ミールキットや宅配サービスを利用する
- 家族と協力する、役割分担する
- 片付けをしながらできる「ながら趣味」を取り入れる(例:オーディオブックを聴く)
- 原因「仕事中の休憩が少ない、体が凝り固まっている」への解決策例:
- 短時間でも休憩時間を確保する
- 席でできる簡単なストレッチを取り入れる
- 昼休憩に軽い散歩を取り入れる
- 疲労レベルが低くてもできる「メンテナンス系」の趣味を探す
多くのアイデアの中から、自身の状況や実行しやすさを考慮して、最も効果的だと考えられる解決策を選び、具体的な実行プランを立てます。完璧を目指さず、「これなら今日からできそうだ」と思える小さな一歩から始めます。
ステップ4:実行し、効果を評価する(PDCAサイクル)
立案した解決策を実行に移します。そして、それが実際に趣味の時間確保や継続に繋がったか、問題は解消されたかを定期的に評価します。もし効果が薄ければ、原因の分析に戻るか、別の解決策を試してみるなど、仕事のPDCAサイクルを回すように改善を続けます。
- 例:「朝活で趣味時間を確保する」を試してみたが、起きるのが辛くて続かない。→ 原因は「睡眠時間不足」かもしれない。解決策は「早く寝るための仕事の段取り見直し」や「朝活以外の時間帯を検討」など。
この「問題解決アプローチ」を趣味に応用することで、漠然とした「できない」理由に対して、具体的で実行可能な対策を講じることができます。
このアプローチを活かせる手軽な趣味のヒント
問題解決アプローチを踏まえると、以下のような視点で趣味を選ぶ、あるいは既存の趣味をアレンジすることが有効です。
- スキマ時間活用型: 通勤時間、移動時間、休憩時間、寝る前など、短い時間で完結できる趣味。(例:オーディオブック、ポッドキャスト、短い語学学習アプリ、脳トレ、ミニゲーム、SNSでの情報収集や発信)
- 「ながら」型: 何か他のことをしながらでも可能な趣味。(例:音楽鑑賞、ラジオ、ストレッチ、簡単な手芸など)
- 準備・片付けミニマル型: 特別な道具が不要、あるいは準備・片付けがすぐに終わる趣味。(例:読書、書き物、オンライン講座、瞑想、軽い運動)
- 疲労レベル対応型: 体力や気力が少ない時でも取り組める、リラックス効果の高い趣味。(例:アロマテラピー、軽いストレッチ、心地よい音楽鑑賞、美しい景色や写真を見る)
これらの趣味は、前述の「時間がない」「疲れている」「始めるまでのハードル」といった問題に対する具体的な解決策となり得ます。
継続のための心構え
仕事で培った問題解決スキルは強力ですが、趣味においては「楽しむこと」が最も重要です。
- 完璧主義を手放す: 仕事のように100%の成果や効率を求めすぎないことも大切です。できなかった日があっても自分を責めず、できる時に、できる範囲で取り組む柔軟な姿勢が継続に繋がります。
- 小さな成功を認識する: 短時間でもできた、少しだけ進められた、といった小さな成功や達成感を意識的に捉えることで、モチベーションを維持できます。これは、仕事におけるマイルストーン達成のようなものです。
- プロセスを楽しむ: 結果だけでなく、趣味に取り組む過程そのものを楽しむことに焦点を当てます。
まとめ
多忙な日々の中でも趣味の時間を確保し、継続することは十分に可能です。仕事で養った「問題解決」のスキルを、趣味の継続における様々な壁を乗り越えるために活用してみましょう。なぜ続かないのか、具体的な問題点を特定し、原因を分析し、実行可能な解決策を試していくプロセスは、きっと趣味をあなたの日常に取り戻す助けとなるはずです。そして、趣味の時間が日々の生活に彩りやリフレッシュをもたらし、仕事への活力にも繋がることを願っています。