多忙な日々にフィット。中断・再開しやすい趣味の選び方・楽しみ方
多忙な日々を送る中で、趣味の時間を確保することは容易ではありません。ようやく時間を作って始めた趣味も、急な仕事や予定変更で中断せざるを得ない状況も少なくないかと思います。そして、一度中断すると、再開するのが億劫になってしまい、そのまま趣味から遠ざかってしまう、という経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
趣味の時間は、日々の疲れを癒やし、心をリフレッシュするために非常に重要です。しかし、中断を繰り返すことでストレスを感じてしまうようであれば、それは本末転倒です。このような課題に対し、今回は「中断・再開しやすい趣味」という視点から、忙しい日々でも無理なく趣味を楽しむための方法を考えていきます。
なぜ「中断・再開しやすい」ことが重要なのか
多忙な日常では、予測できない割り込みが発生することがあります。集中して趣味に取り組んでいる最中に中断されると、時間のロスだけでなく、それまでの集中力が途切れてしまい、再開時のハードルが高くなります。特に、以下のような趣味は中断・再開が難しく、結果として挫折に繋がりやすい傾向があります。
- 長時間の集中が必要なもの: 複雑な模型製作、長編の読書や映画鑑賞、大規模なプロジェクトを伴う創作活動など。
- 準備や片付けに時間がかかるもの: 絵画、陶芸、特定の料理、大規模なDIYなど。
- 特定の場所や時間、人数が必要なもの: スポーツの練習、特定の教室に通う、グループでの活動など。
一方、中断・再開が容易な趣味であれば、短い時間でも気軽に始められ、急な中断が入ってもストレスを感じにくくなります。また、再開する際の心理的なハードルも低く、モチベーションを維持しやすいという利点があります。
中断・再開しやすい趣味の特徴
中断・再開しやすい趣味には、いくつかの共通する特徴があります。これらの特徴を理解することで、ご自身のライフスタイルに合った趣味を見つけやすくなるでしょう。
- 短時間で区切りをつけられる: 10分、15分といった短い時間でも、何らかの進捗や満足感が得られる活動です。例えば、読書であれば章や節ごと、学習であれば特定の項目や問題ごと、運動であれば短いセットごと、といったように、細かくタスクを区切ることができます。
- 進捗管理が容易: どこまでやったか、次は何をするかが明確に記録・把握しやすい趣味です。チェックリストを使ったり、アプリで進捗を管理したりすることが容易なものが含まれます。
- 準備や片付けが手軽: 始めるまでの準備や、終わった後の片付けに時間がかからない、あるいは全く不要な趣味です。スマートフォンやタブレット一つで完結するもの、道具が少なく手軽に取り出せるものなどが該当します。
- 場所を選ばない: 自宅だけでなく、通勤時間や移動中、休憩時間など、様々な場所で取り組める趣味です。
具体的な中断・再開しやすい趣味のアイデア
上記の特徴を踏まえ、多忙な方におすすめできる具体的な趣味のアイデアをいくつかご紹介します。
- デジタルを活用した趣味:
- 学習アプリ(語学、プログラミングなど): 1レッスン数分で完結するものが多いです。進捗もアプリで自動的に記録されます。
- オーディオブック・ポッドキャスト: 移動中や家事をしながらでも聴くことができます。中断しても、どこまで聴いたかすぐに分かります。
- 短い教養動画の視聴: YouTubeなどのプラットフォームには、数分から十数分で完結する質の高い解説動画が多くあります。興味のある分野を少しずつ学ぶことができます。
- 写真整理・加工: スマートフォンで手軽に始められ、一枚からでも作業を進められます。
- デジタルジャーナリング・ブログ執筆: 思いついた時に数行だけ書く、といった短い時間でも取り組めます。
- アナログな手軽な趣味:
- 読書: 長編小説でも、章や節など短い単位で区切って読むことができます。通勤時間や休憩時間など、スキマ時間を活用しやすい趣味です。
- クロスワードや数独などのパズル: 短時間で集中でき、解きかけでもそのまま置いておけます。
- 短いストレッチや筋トレ: 椅子に座ったままできるものや、特定の部位だけを数分鍛えるなど、短い時間でも効果を感じられます。
- 短い瞑想や呼吸法: 数分間目を閉じるだけでリフレッシュできます。場所を選ばず行えます。
- 手帳時間・ジャーナリング: その日の出来事や思考を数行メモするだけでも効果があります。
- 簡単なスケッチや塗り絵: ノートとペン、または手軽な塗り絵セットがあれば始められます。少しずつ進めることができます。
- ティータイム・コーヒータイム: 質の良いお茶やコーヒーをゆっくり淹れて味わう数分間は、立派なリフレッシュタイムです。
中断・再開をスムーズにするためのコツ
中断・再開しやすい趣味を選んだとしても、いくつかの工夫をすることで、さらにスムーズに、そして継続しやすくなります。
- 短い「やることリスト」を作成する: 例え10分しか時間がなくても、「この本の1章を読む」「この学習アプリのレッスンを1つ完了させる」「写真5枚を整理する」のように、具体的に何をどこまでやるか決めます。
- 中断時の「次のアクション」をメモする: 作業を中断する際、次にどこから始めるか、何をすべきかを簡単にメモしておきます。付箋を使ったり、スマートフォンのメモ機能やリマインダーを活用したりするのが効果的です。
- 関連ツールや場所を整理しておく: 趣味に使う道具や資料は、すぐに取り出せる場所にまとめておきます。また、可能であれば、趣味に取り組む場所を固定するか、すぐに準備できる状態にしておくと、再開へのハードルが下がります。
- 再開の「スイッチ」を作る: 趣味を始める前に、特定の音楽を聴く、お気に入りの飲み物を用意する、軽いストレッチをするなど、自分なりの「儀式」を決めると、スムーズに趣味モードに切り替えやすくなります。
- 完璧主義を手放す: 毎日決まった時間に取り組む必要はありません。「今日は5分しかできなかった」「途中で中断してしまった」と気に病む必要はありません。少しでも取り組めた自分を肯定し、「また明日、少しでもやろう」と前向きに捉えることが大切です。
- 進捗を可視化する: アプリの記録機能を使ったり、簡単なノートに書き込んだりして、少しの進捗でも記録します。これは継続のモチベーションに繋がります。
まとめ
多忙な日常の中で趣味を楽しむためには、「中断・再開しやすい」という視点で趣味を選び、さらにスムーズに取り組むための工夫をすることが非常に有効です。長時間の確保が難しいとしても、短い時間で区切りをつけられる趣味を選び、中断時の工夫や再開への心理的ハードルを下げる習慣を取り入れることで、着実に趣味の時間を確保し、日々の生活に彩りやリフレッシュを取り入れることが可能になります。
「自分には時間がないから趣味は無理だ」と諦める前に、ぜひ「中断・再開しやすい趣味」を試してみてはいかがでしょうか。一つでも「これならできそうだ」と思えるものが見つかれば、きっと新たな楽しみが見つかるはずです。